入居した最初の1週間、廊下で外国人と目が合うたびにどきどきしていました。
「話しかけなきゃ」と思いながら、英語が出てこなくて、結局会釈だけして部屋に戻る——そんな毎日でした。
でも5年半後、気づけば世界中に友人ができていました。留学もしていない。英会話スクールにも通っていない。どうやって?と聞かれると、正直「特別なことは何もしていない」という感覚があります。
ただ、5つのことを意識していたかもしれません。
方法①:毎日あいさつする。それだけでいい
最初に試したのは、廊下で会うたびに「Hi!」と声をかけることでした。
それだけです。文章にするまでもないくらいシンプルなことですが、これが意外なほど効きます。
毎日「Hi!」を繰り返していると、ある日向こうから「How are you?」と返ってきます。そのうち立ち止まって話してくれるようになります。それがキッカケで気づいたら友達になっていた、というパターンが何度もありました。
これはシェアハウスに入居するより前の話ですが、ヨーロッパを一人旅したときにも同じ経験をしました。ロンドンのゲストハウスで、数日間すれ違うたびにあいさつを交わしていた夫婦がいたんです。ある朝、共有のダイニングで「どこを旅するの?」と声をかけてもらって、そこから話が一気に広がりました。
「フランスに行くなら、まずはパンとチーズをね」「イタリアのフィレンツェではキャンティワインを飲んでみて」、そんなアドバイスをもらい、現地に着いた時、探してみて実際に食べたり飲んだりしてみたら本当においしくて。帰国後、一生懸命英語でお礼のメールを書いたのを今でも覚えています。
あいさつだけで始まった関係が、こんなふうに広がっていくことがあります。それを最初に教えてくれたのは、旅先のゲストハウスでした。
方法②:キッチンで話しかける
共有キッチンは、外国人と仲よくなれる最高の場所だと思います。
なぜって、だいたい誰かがいることが多くて、何かしら料理していることが多いからです。
バングラデシュ出身のルームメイトのカリムが夕方からスパイスを炒め始めると、それだけでキッチンに引き寄せられる感じがしました。「What are you making?」と聞きに行くと、次々とスパイスを加えていく本格的なカレー作りが始まっていて。完成したものをひと口もらったとき、「スパイスが効いていてめちゃくちゃおいしい」と思いました。
イタリア出身のマルコが作るミートソースも、家庭から受け継いできたレシピでした。トマトをじっくり煮込む工程を見ながら「家でお母さんが作ってたの?」と聞くと、嬉しそうに話してくれました。料理って、その人の背景が見えるんですよね。
逆に、自分が料理している姿が会話のきっかけになることもありました。一尾の魚を丸ごと捌いていたとき、「それ、何してるの!?」と興味津々に人が集まってきて。捌く一連の作業を見せながら「こんな感じでやるんだよ」と説明する時間が、気づけばちょっとした交流の場になっていました。
料理をする習慣があるなら、キッチンは毎日チャンスの場所になります。
方法③:共通の話題を1つ持っておく
シェアハウスには日本語学校に通う留学生も多く住んでいます。「なんで日本語を学んでいるの?」と聞くと、「アニメが好きだから」という答えが返ってくることが本当に多かったです。
「僕もアニメ好きです」と言うと、目が輝きます(笑)。「じゃあこのアニメ知ってる?」と、知らない最新アニメのタイトルが次々と出てきて焦りましたが、最初の頃は「わからないけど、どんなストーリー?」と聞き返したりして、それだけで会話が30分続いたりするんです。
あまりにもその話題が多くて、そのうち自分でも見てみようと興味が湧き始めました。深夜放送のアニメを眠い目でつけたある夜、話がぐいぐい引き込まれて気づいたら毎週見るようになっていました。そこからすっかりハマってしまい、録画環境を整えて毎期チェックするようになりました。
最新作の話ができるようになった頃、通勤電車が一緒のシェアハウスの友人と「昨日のあの展開どう思う?」と話しながら毎朝出勤するのが日課になっていました。あれは本当に楽しかったです。シェアハウスを離れた今でもアニメは見続けていて、いまだに話題についていけるくらいです(笑)。
アニメじゃなくてもかまいません。自分が好きなものをなにか一つでも英語で言えるようにしておくだけで、会話の入口が一気に広がります。
方法④:イベントや行事に一緒に参加する
節分は私にとってシェアハウスに住み始めて初めて訪れた季節のイベントでした。
節分の数日前、先輩の入居者から「鬼役をやってほしいんだけど」と声をかけられました。
同じ時期に入居した日本人の友人と2人で引き受けることにして、「どうせやるなら本格的に」と段ボールで鬼のコスチュームを作り始めました。私の部屋に来てもらって、段ボールを切り貼りしながら過ごした数日間かけて制作しました。それだけで、その友人とすっかり仲良くなってしまいました。
節分当日は、まずみんなで恵方の方角に向かって並び、恵方巻を無言でほうばるところから始まります。10〜15人が一列に並んで黙々と食べている光景は、なかなか面白い光景でした。
その後、着替えた鬼2人(私と友人)がダイニングに登場した瞬間、一斉に個包装のおつまみが飛んできました。(豆撒きの大豆の代わりに個包装のおつまみを投げていました。片付けがラク!笑)みんな「キャー!」と言いながら逃げ回り、本気で追いかける私たちに向かってどんどん投げてきます。最後に鬼がやられる演技をすると、拍手が起きました。「大人がこんなに本気で楽しめるものなんだ」と思った夜でした。
それ以来、節分は毎年の恒例行事になりました。ハロウィンも同様で、NARUTOの忍者やジブリの「カオナシ」など毎年コスチュームを自作して楽しみました。ある年は管理人さんのお子さんたちも加わり、国籍も年齢も関係なく一緒に盛り上がりました。
「一緒にやろう」のひと言が、ただの隣人を友人に変えることがあります。イベントにはそういう力があると思います。
方法⑤:「コネクター」を見つけて頼る
シェアハウスには、みんなを繋いでくれる人がいたりします。
私がいた頃、英語が堪能でフレンドリーな日本人の先輩がいました。その方はよくダイニング・キッチンで作業をしていて、私が料理しに行くたびに「この人、新しく入ってきた〇〇さんだよ」と自然に紹介してくれました。気づいたら会話が始まっている、という状況を何度も作ってくれたんです。
「みんなでここ行ってみない?」と声をかけてくれたのも、いつもその方でした。そのお陰でシェアハウスの仲間と出かけるきっかけが何度もできました。
その方がライフスタイルの変化でシェアハウスを出た後、今度は自分がそうしようと思うようになりました。新しい入居者が来たら声をかける、みんなの輪に馴染めるよう働きかける。コネクターから受け取ったものを、次の人に渡す——そんな循環がシェアハウスには自然と生まれていました。
自分から全員に話しかけなくても大丈夫です。まずそういう人を見つけて、輪に入れてもらうだけでいいんです。それが外国人の友達を作る、意外と近道だと思います。
仲よくなると、その先がある
5つの方法をお伝えしましたが、仲が深まってからのことも少し書かせてください。
外国人のルームメイトと親しくなってくると、日本の文化についてよく聞かれるようになります。「これってどういうこと?」「日本人ってみんなそうなの?」。そんな質問が増えてきたとき、よく使っていたのが「It depends on the person(人によって違うかな)」というフレーズです。日本のことを説明するって、一概には言えないことが多いです。そのたびにこの言葉に助けてもらいました。
それから、英語が母国語ではないルームメイトたち(英語を第二言語として話している海外の人)と話していると、「間違えてもいいや」という気持ちになれました。お互いに母国語じゃない英語で話しているから、「お互い様」の空気が自然と生まれるんです。英語への緊張が初めてほぐれたのは、ネイティブとの会話ではなく、こういう場面でした。
まとめ:友達作りに特別なスキルはいらない
英語フレーズをもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| ① 毎日あいさつ | 顔見知りになるだけで緊張がほぐれます |
| ② キッチンで話しかける | 料理は最高の会話の入口になります |
| ③ 共通の話題を1つ | アニメ・趣味・仕事を英語でひと言 |
| ④ イベントに参加する | 「一緒にやろう」が仲を縮めます |
| ⑤ コネクターを頼る | まず輪に入れてもらうだけで大丈夫です |
留学なし。英会話スクールなし。それでも、外国人の友達は作れます。必要なのは、ちょっとした勇気と、日常の小さなアクションだけでした。


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